あくあん's blog

つらつらと書きます。最近はカメラの話。書評やガジェットの話なども。

NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sのレビュー

ご無沙汰しております。あくあんです。今回は2022年2月に購入した、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの所感について書いていきたいと思います。8月くらいに追加購入したZ TELECONVERTER TC-2.0x(2倍テレコン)もついでに言及します。

 

色味の良さを感じるレンズ

このレンズを使っていてはっきり言えることは、いきなり色味が良い画が出てくるという特徴です。特に、中間域の彩度?が全体としてバランスよく、いわゆる「発色が良い」レンズだと感じました。一部の人はFLレンズ(蛍石レンズ)の恩恵とも言っていますが、そこら辺はどうかはわかりません。NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sとの比較をすると、多くのシーンでは2つのレンズは同等に色味の良さが光ると評価しています。NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sの硬調さと比すると違いは明らかで、柔らかくもコントラストがはっきりと高く、解像ははっきりしているものの全体として高い次元でバランスの取れた描写と言えるでしょう。

ちなみに、ごく稀にゴーストが出ます。比較対象が逆光に鬼強いNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sなので比較条件として厳しすぎますが、出るものは出ます。購入当時はARCRESTの在庫がなかったのでケンコーのZXレンズ保護プロテクターを使っていますが、おそらくプロテクター起因ではないと思っています。飛行機のライトくらいなら全くゴーストは出ず、太陽の反射がかなり強い時などかなり限定的な状況での話なので、気にせずとも良いと思いますが。

 

以下作例を6枚ほど流します。

 

撮影条件は中〜遠距離がおすすめ

まだまだ使いきれていませんが、このレンズの描写をうまく活かすとするなら、200mm f/2.8, 105-135mm f/5.6あたりの条件が良いと経験的に把握しています。この辺りの条件は後ろのボケまで含めて綺麗な画になりやすいです。被写体までの距離としては、前者は5メートル以上、後者は3メートル以上くらいが、このレンズのスイートスポットと言えるでしょうか。焦点距離を問わず、3mくらい離れて撮るといい感じになりやすいです。

スイートスポットとは真逆の避けるべきシーンとしては、寄りやごちゃついた背景が挙げられます。前者の寄りに関しては、画質低下は感じないものの、背景を吹き飛ばすくらいの大きなボケにしない限り、非点収差などに起因したボケの印象悪化があります。また、草木などに代表されるゴチャついた背景は上記と同様、非点収差などの影響が強いため避けるべきです。後ろに草木があることが多いシーン(花や鳥など)で使うのは上手く場所を選ぶ必要があります。

上手くいかなかった例。背景ボケが少し気になります。

持ちやすさ・手ぶれ補正の強さが光る

確かに絶対的な重さで言えば一般的なレンズよりも重いのは百も承知ですが、ボディにつけた時の重心位置が前玉寄りになるからなのか、ストラップなしで手持ちのまま1-2時間移動しても特に手首の疲れは感じないです。Z-GR1(純正エクステンショングリップ)を装着すると、持ち運びの気軽さ・撮影時の安定性ともに向上するので、こちらも併せて使うことをおすすめします。

ただ、特にテレコンつけた状態で手持ちのまま歩いていたりすると、たまにマウントあたりから軋む音がする気がするので、あまり雑に振り回すのは望ましくないかもしれません。そもそも精密機器なんだから丁寧に扱えという話ではありますが。

レンズを構えた時の持ち方として、私は左手の親指・人差し指・中指の3本で支えて使いますが、三脚座を左手の腹で持つという方もいるかと思います(購入当初は私もこの使い方をしていました)。正直なところどちらでも持ちやすいかと思います。使い方を選ばないという点では良い点かもしれないですね。

 

このレンズの使いやすさに関して、手ぶれ補正の力が異常に強いというのも挙げられます。手ぶれ補正が強いからなのか、それとも本体重量があるので静止させやすいからなのかはわかりませんが、とにかく止まりやすいです。NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは1/13秒まで安定して止められますが、このレンズは200mmでも1/8までは手持ちで簡単に止まります。体幹強い人ならもっと追い込めるかもしれないですね。

手ぶれ補正の恩恵でファインダー像も常に安定しています。特に飛行機の流し撮りをする時などは便利です。

 

(手ぶれ補正がないレンズってファインダー像ぶれるんですかね?ボディもレンズも手ぶれ補正がない機種を持ったことないからわからないですけど)

ニッコールレンズテクノロジー | NIKKORレンズ | ニコンイメージング

 

テレコンは及第点

2倍テレコンを装着すると、焦点距離が140-400mmとなり、利用頻度は明らかに下がります。私は船や鳥の撮影くらいでしか使っていません。

画質に関しては、等倍レベルで見ると劣化しているとは感じられません。ほんの少し色味の赤成分が強くなるかな?という気がしなくもないですが、室内での比較結果であり、多くの利用シーンでは被写体までの距離が遠いと想定されることを踏まえると、もしかしたらあまり変わらないのかもしれません。ただ、等倍レベルで見ると劣化はしていないのに、全体で見るとなんというかちょっとコントラストが下がった気はします。

 

使い勝手の点では、テレコンなしだと70-200 + Z 5/6/7 + Z-GR1でも三脚座近くが重心となり、三脚座で自立するのに対し、テレコンをつけるとボディ側に重心が寄ってしまうため、自立しなくなるという欠点を感じます。また、テレコン部分が出っぱっているので、装着時に70-200側の電子接点等にぶつけないか心配になります。

焦点距離が伸びるのは良いことではありますが、それならさらに望遠のレンズを購入した方が幸せになれるかもしれないです。

 

望遠レンズゆえ手軽さは少なめ

このレンズを所有して、つくづく望遠は特殊用途であることを感じました。70mmスタートなので、上手く使っても圧縮効果などの影響で切り取りの側面が強い画が多くなってしまいます。やっぱり、標準域というのは偉大かつ万能なのだなという気持ちを抱きました。

また、望遠レンズはサイズが大きくなるため、このレンズも例に漏れずバッグに入れにくい代物です。なので、使うことが事前に想定される時しか持っていかないことが多いのは事実ですし、持っていったのに使わなかったことが心に引っかかることもたまにあります。

 

購入して大満足

以上、つらつらと書いてきましたが、全体としては購入して大満足です。

インナーズーム(ここ重要)で見た目もNIKKOR Zの中で1, 2を争うレベルでかっこよく、色味や利便性も素晴らしい。どこに後悔する要素があるというのでしょう。(2倍テレコンはそれほどではないですが...)

ようやくローンも払い終わるので、これからもガシガシ使っていこうと思います。

余談

先日、NIKKOR Z 50mm f/1.2 Sも購入したのですが、2本併せてバッグに入れるとめちゃくちゃ重いことを確認しました。普通にしんどいです。50mm f/1.2 Sのレビューはまた日をあけて書こうと思います。