あくあん's blog

つらつらと書きます。最近はカメラの話。書評やガジェットの話なども。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S レビューとか

どうも、あくあんです。

今日は、2ヶ月くらい前に買ったMC105mmのレビュー?というか雑感などをまとめます。カメラレンズの検討をしているネットサーファーのちょっとしたツマミにでもなれば。

私が使用している範囲でのレビューなので悪しからず。また、掲載している写真は全て撮って出しです。編集面倒なので。

 

主に以下の点で書き綴りたいと思います。

見た目・重さ・取り回し

見た目はとても気に入っています。全体的なサイズ感、コントロールリング・フォーカスリングの大きさ、スイッチ、レンズ全面、印字など。特に、筒型のフードはこれぞカメラみたいな個人的なこだわりがあるので、世界一カッコイイと思っています。フィルター径は63mmと思った以上に小さく、持っているNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sと比較するとレンズの大きさもあってだいぶ小さく見えます。新しいS-Lineのエンブレムは個人的には微妙?かも...

 

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S-Lineのレンズはコントロールリング裏の光沢仕上げが大変かっこいいですね。
Shot on Nikon Z 5 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

重さは630gで、見た目で想定するそれよりもはるかに軽く、エクステンショングリップをつけた状態で持つとむしろバランスの良い重さに感じます。30分くらいなら片手で持ったままお写ん歩も負担なくいけます。ただ、体積はちょっとデカいので、バッグに入れたりするのがやや億劫になることも。特に、筒型フードをつけた状態のレンズ全体の直径の増加が体感として大きいので、フード付きだとカメラバッグに入らない状態になってます。あとちょっとだけ長いかな。

1点付け加えるなら、筒型フードはボタンロック式になってますが、こいつが割と優秀で、使用する際にはちょっとだけロックボタンを押せば、あとは押し続けなくとも回して外せるようになっており、外れた状態から使用する際や収納する際はロックボタンを押さずとも回して嵌め込めばロックがかかるという運用ができます。ボタンロック式のフードってみんなこんな感じなんですかね?めっちゃ便利です。

 

 

ボケ・AF・その他写り

よくないポイントから言うと、

  • 非マクロ撮影時、無限遠とみなせない背景のボケがあまり美しくない
  • 非マクロ撮影時、ボケの形状がそこまで美しくない
  • AFは基本的に早いが、外すとめちゃくちゃ遅い

こんな感じですかね。非マクロ撮影時のボケに関しては、ネットで調べてみるに非点収差というものが発生しているのだとか。詳しいことはわからないのですが、とにかく私が感じるのは、枝葉の集合やキラキラした地面などを背景に入れると、ボケがざわつくというかぐるぐるボケになるというか、そんな見た目のボケになります。なんか違和感が出るんですよねぇ。

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雀さん。なんか前後のボケが、特に後ろがのボケがざわざわグルグルしているように感じます。
Shot on Z 5 + MC 105mm。以下同じ。

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これはまだなんとかなっている例です。とはいえ、そこまでボケが綺麗とは思い難いですが...

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後ろの木々も無限遠とみなせる程度の距離になるとボケが落ち着いてきます。

特に雀の写真の例だとわかりやすいかもしれないですが、被写体と背景とが連続していて浮き出ていない場合、ボケの変化が連続的というより、ある面から急にボケ出すという印象を受けます。この点も場面によっては注意が必要なのかもしれません。逆にいうと、3つめのススキのように、ポートレート的に使うなら(多少の注意は払いつつも)そこまで問題なく運用できるのかもしれないですね。

 

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丸ボケは美しくないです。正18角形が割とはっきり見えてしまいます。
これはf/4.5ですが、最小f値2.8でもほぼ同じような結果です。

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f/2.8でレモンボケ。撮影環境の問題などもあるでしょうが。

ディスってばっかりですが、上記の環境以外、私がよく使う環境だと

  • パンフォーカスでの遠景撮影
  • マクロ撮影

では、本当に綺麗に写ります。(マクロ撮影はそのためのレンズなんだから当たり前ですね)

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f/8での撮影。綺麗です。次の写真もf/8です。

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Nikon Zあるあるかもですが、コッテリ色がのる感じ。
上の方のブレてるやつは釣り針と浮きです。

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マクロでの描写はすごいです。ピント面が薄すぎて手持ちだと苦労しますが。

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ピント面は拡大すると肉眼で見えないホコリなども見えます(笑)
写りは美しすぎて平伏すほど。まさにマクロ撮影のためのレンズですね。

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マクロといえば花。非マクロ撮影で暴れていたボケのざわつきや断続的変化もなくなり、
なだらかで美しいボケになります。あゝ素晴らしきマクロの世界。

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マクロ撮影お馴染みの花びら+水滴。ちょっとボケの境界が断続的な部分があるので、条件によってはこうなるのかも。写りは極上です。

いかがでしょう。ある程度クセはあるものの、本来の目的であるマクロ撮影や、パンフォーカスでの撮影、(条件をいくつかクリアした上での)ポートレート撮影などでは強みを発揮すると思います。

ただし、特に遠景撮影などで、コントラストAFで追いきれない部分があった場合のAFの遅さはナメクジレベルです。一旦フォーカスが無限遠まで行って来てという動きを起こすので、ピント面周辺で迷うというよりは全探索でピントどこかなーとやっているように見えます。これが出ると大変イラつきます。

 

 

スイッチ類

レンズ面のディスプレイ、ディスプレイ表示を変更するDISPボタン、機能を割り当てられるL-fnボタンがありますが、これらは撮影中は全く使いません。レンズ面のディスプレイって動画利用にはいいと聞きますが、そうなんですかね?

AF/MF切り替えやピント距離切り替え(無限遠〜0.29mと0.5m~0.29m)はよく使います。特に後者はマクロレンズのためとも言える設定ですね。

ちなみに、MFで追い込もうとするとピント面の薄さがかなり厳しいので、三脚かライティングが必要になるかと思います。MF時のフォーカスリングのトルク感というか、滑らかに回る感じは操作してて楽しさを覚えます。なんか上質なものを扱っているという感覚が得られて気持ちが高まります。

 

 

買ってよかったか

買ってよかったと思います。撮影時に気を使うべきクセはありますが、取り回しのよさ、かっこよさ、焦点距離、マクロ撮影の描写、どれも気に入っています。同じ筒型フードのNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sは最短撮影距離が、同じ焦点距離を含むNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sは重さと価格がネックなので、シーンは多少限定されるもののあまり運用上面倒なポイントが多くないので、頻度高く利用できています。

当初の想定では遠景での利用も考えていたので、足りなかったらどうしようとも思っていたのですが、事前の画角チェック+入念な撮影スポットでの脳内シミュレーションのおかげか、必要十分な焦点距離でした。まあ換算200mmくらいまではトリミングでもなんとかなりますし。多分次に欲しい望遠となると300mmとか400mmなんでしょうねぇ。雀以外に何撮るんだという話ですが。

ともかく、欲しい領域でのわがままな要求を一定以上の水準でしっかり答えてくれる、良いものだと思っています。

 

ちなみに、なのですが、錯乱円の式で計算してみますと、105mmでのf/2.8って50mm換算だとf/0.6相当なので、ポートレートなどの用途だとボケすぎ感すら出てきます。なので、個人的には開放よりもf/4.5-5.6程度(=50mm換算でf/1.0-1.2)で撮る方が自然なボケ感があって気持ちいいです。

 

2022/1/16 作例追加&加筆。