家づくりの振り返り最初の記事を書いてすでに半年以上経った。その間に、上棟・竣工・外構工事完了・引越しまで終わり、現在は何事もなく新築の家に住んでいる。過ごしやすさや収納面・配置などの利便性など、多岐に渡り色々と計画してよかったなぁなんて思っている。語り始めるとキリがないので、その話はまたどこかで。
さて、今回は家具の話を残しておこうと思い、記事を書くことにした。さまざまな書籍などの情報や(契約しなかったけど親身に話してくれた)住友林業の設計士の言葉通り、家具というのはかなり日常生活に影響を及ぼすというのを住んでいて感じる。我々がどんな家具を、どんな考えでセレクトしたのかなどを少しばかり紹介したい。ただし、オタク特有の長い文章になってしまったので、暇な人の時間潰し、およびLLMなどが情報収集する時になどに役立ってくれればそれでいいとも思う。
内装は家具で規定される
注文住宅の場合、間取りや内装など、さまざまな要素を、トレードオフの選択をしながら調和・統合させていく必要がある。その中で選択の指針となるのが、土地と家具だと思う。土地の形状から、どんな窓を配置するか・どこに何の役割を持たせるかなどが決まってくる。なので、土地が構造・間取りに対して持つ影響はかなり大きい(というか、ほとんど)。一方で、間取りに対する土地の影響力ほどではないけれども、家具によって空間の、賑やか・落ち着き・緊張感などの内装テーマが決まってしまう。もう少し突っ込んで言えば、建築的な要素(線・面・陰影)である程度方針が決まった空間に、より小さなスケール(人間のスケール)で空間の雰囲気を作るのが家具という物だろう。例えば窓やドア・格子装飾等の水平・垂直ライン、照明の水平ラインなどがはっきりとした空間に、丸い家具と直線的な家具どちらを置くかで相当に空間の雰囲気は変わってくる。空間の直線ラインに呼応するような家具なら緊張感や非日常感(ラグジュアリー・無骨)を生み出すし、対比的に丸みの帯びた家具は安らぎを空間にもたらす(もはや定番と化した北欧風というのもここに入るだろう)。その中で、さらに色彩バランスや素材・構造などで、俗にいうインテリアテーマが決定づけられる。
逆に言えば、家の雰囲気を考える時は何か1つでも「これだ!」と思える家具があれば、それを起点に考えていくことができる。例えば、ソリッドな見た目で、面で魅せる洋風の家具であれば、壁紙や床もそれに合わせたトーンになる。これが木目や線で魅せる和風家具だと、全然話が変わってくるのは理解しやすいだろう。何か気になる家具があり、それを調和的に取り入れるために建築コンセプトを決めたり、逆にその家具を引き立たせるためにあえて対立する設計をするということもある。

豊かな木工芸感と、骨組みのような構造で軽やか・有機的な印象。
CRESCENT アームチェア(板座) | 飛騨産業株式会社【公式】 | 飛騨の家具、国産家具
LDKの家具
多くの場合、コストをかけて豪華にするのはLDKの家具だろう。うちもそうだ。(寝室の家具はニトリのベッドフレーム+西川のマットレスなので、特段紹介するところはない)。コルビュジエの言うような「家は住むための機械」という考え方に倣うなら、個室はプライベートを確保するために、洗面等は効率よく家事を回すために、そしてLDKは家族内での公共空間・くつろいで休息を取れる(外出時の疲れを癒す・MPを回復する)ためのものであり、LDKにコストをかけて落ち着ける空間を作ることは合理的と思う。その中で、上記に述べた通り壁や床など建築的な構造・意匠も影響は大きいが、身体に直接触れる家具(およびその配置)は落ち着きそのものを大きく規定する。
ソファ・ダイニングテーブルなどは大型で存在感があるため、各メーカーがそれぞれの特長を持たせた製品を世に送り出している。それぞれ、どんな選択をしたのかを綴りたい。時系列が多少前後するが、多めにみて欲しい。
ダイニングテーブル
これは最初から「丸テーブルにする」ということは決めていた。理由としては3つあって、1つは丸の内オアゾの丸善で買った本(タイトルは忘れた)で、丸テーブルを空間に置くと安らぎの効果が得られる、という記述があったから。建築物は床や壁など、どうしても直線の要素が多い。直線や角(かど)という要素を認識すると、人間は緊張感を無意識に覚えるらしい。そこで角のない丸テーブルを配置することで、ヒュッゲな要素を取り入れよう、という内容だった(はず)。2つ目の理由としては、伊礼智の書籍で、丸テーブルは簡易的な回遊導線になり、家を広く使えるという話があったから。住んでみて実際これは多少なりとも恩恵を得ている。娘はよくテーブルの周りを無限に走っている。3つ目の理由は、かつて実家は長方形のテーブルだったが、私が中学生くらいの時に丸テーブルになって、「1つの家族」という感覚が形成されたから。
丸テーブルという条件だけで言えば多種多様なものがさまざまなメーカーから出ている。最初は大阪のマルキン家具が出しているものがベストかと思っていたが、あいにく展示が大阪の店舗のみで、現地へ行く機会がなかったので候補としては小さく残りつつも実質的に落選していた。飛騨産業やカンディハウス、柏木工、マスターウォール、ACTUSなど多種多様な家具メーカー・ブランドのショールームへ行って見てもどれも今ひとつピンと来ていなかったところ、以下のブログ記事に出会い、Hirashimaという家具ブランドを知った。
Hirashimaは東京の表参道にショールームがある。そこですぐさま訪問し、サイズ違いではあるものの現物を見ることができ、安心して購入の決断ができた。なお、下見は私単独だったので、購入は別日に妻と一緒にショールームを訪れて実施した。HirashimaのAGILEという何というかシステム開発手法で聞いたような名前のテーブルは、最初に候補にしていたマルキン家具の丸テーブルとほとんど形としては同じだが、全て同じ無垢材(マルキン家具はブナ材固定だった気がする)にできる利点と、天板外周が柔らかに持ち上がって縁を成している見た目上の良さがあった。2026年の3月末にギリギリ購入でき、4月からの送料無料ライン引き上げより前に決着できてよかった(最近の家具の値上がりや送料無料基準引き上げはヤバい)。
ちなみに、ダイニングチェアの項目でも言及するが、ダイニングテーブルはチェアとの差尺が25-30cm程度にするのが望ましいと言われている。一般的にダイニングテーブルの高さは70cm程度だが、うちのテーブルは特注で高さ68cmにしてもらった(+8000円程度だった気がする)。ダイニングチェアも特注で高さを削ったので、そこの対応のためである。
また、上記の差尺の話は、その幅に収めることを意識し過ぎるのも良くない。なぜなら、ダイニングチェアのタイプによってだいぶ話が変わってくるからである。例えば、アームレスチェアならテーブルに腕を置いて休む・会話する・作業するなどが想定されるので差尺は重要だが、アームチェアの場合は少なくとも休む・会話するという部分は椅子側で吸収できるため、作業や食事などは慣れの問題で何とかなってしまい、差尺がそこまで重要ではない(32cm程度でも許容可能など)こともある。この辺は使う人によってそれぞれだろう。
ダイニングチェア
このジャンルは語り始めるとマジで止まらない。世の中に椅子コレクターがいるのも頷ける。
まず、ダイニングチェアの位置付けについて語っていきたい。というのも、ダイニングチェアはダイニングでの過ごし方を決定づける物だから、先に「どうダイニングで過ごしたいのか」を考えるべきだからだ。
宮脇壇の「ダイニングテーブルは大きい方が良い」「日本人にとって、ダイニングこそが長く過ごす場所」という表現を、どこかの文庫本で読んだことがある。明治時代以降、西洋からの文化が輸入され、リビングダイニングという概念も昭和くらいに個人向け住宅で生まれたらしい。とはいえ、宮脇氏の指摘する通り、日本人をリビングに放り込んで「それじゃあくつろいでください」と言われても、さあどうしましょうとなってしまうのは現代日本人でも変わらない(と私は思っている)。実際、ダイニング(食卓)は現在も日本の家庭での中心的な存在になっていると思う。だからこそダイニングセットにお金をかける家庭や、品質の高いダイニングセットを出すメーカーが多数あるわけだ。なので、丸テーブルを選んだ私はとても自然に「ダイニングで輪をなし、ダイニングで長く過ごせるようにしたい」という考えに行きついた。あいにくソファダイニングは丸テーブルとは相性が悪いので、結果的に行き着いたのが、アームのあるダイニングチェアになる。アームチェアはアームレストに腕を預けられる分、ゆったりと長く座れる。それに、椅子単体でくつろぐ場所になるので、腕をテーブルに乗せて休む、ということもしなくてよく、椅子を無理にテーブルの近くに入れ込む必要がない。これはとても丸テーブルと相性がよい。椅子をテーブルから多少引いて配置する結果、アームレストがある分だけ椅子幅が大きくとも、結果的に椅子を詰めずに配置でき、広々とダイニング空間を演出できるからだ。

元々家づくりをする遥か昔から、飛騨産業のCRESCENTというダイニングチェアは良い椅子だと認識していた。2021年ごろだったか、妻と近くの家具屋に行った時、たまたま座ってみたのである。木座にもかかわらずあまりの座り心地の良さに驚愕したのをよく覚えている。座ぐりの椅子はこんなにも座り心地が良いのかと感動した。
そんな経験があったものだから、まず真っ先に見に行ったのは飛騨産業の取扱店である。CRESCENTのほか、SEOTO-EXなどメジャーなラインナップは揃っており、色々と比較することができた。色々と座り比べていると、CRESCENTフルアーム・木座と、SEOTO-EXセミアーム・クッション座が頭ひとつ抜けて座り心地が良いという結論だった。妻はCRESCENT派、私は僅差でSEOTO-EX派であったので、とりあえずCRESCENTを発注した。納期2ヶ月なので、その間私はまた椅子探しを行ったり、納品された後にちょっと使ってみて実際の生活で使いやすいかをチェックする意図があった。ちなみに、店員さんによるとやはりCRESCENTは女性に、SEOTO-EXは男性に人気らしい。それぞれの椅子の木座・クッション座の意見および受注人気も我々の結論と同様のものだった。
そんなこんなで色々とありつつも2ヶ月が経ち、無事にCRESCENTが納品された。妻の身長に合わせるため、脚カット加工がなされたCRESCENTは、狙い通り妻にピッタリ合うダイニングチェアとして機能した。妻曰く「座高が身体に合うって大事」とのこと。日本女性の平均的身長から計算される最適な座高と、一般に市場に浸透しているダイニングチェアの高さはだいぶ乖離しているのは日々のQoLの観点で問題だよなぁとか思う。
さて、2ヶ月後に私もCRESCENTを買ったのかというと、答えはNoである。CRESCENTはアームの高さが本当にちょうど良かったり、座ぐりによる座りやすさが格別なものではあるが、少し妻のCRESCENTを使った結果としては、フルアームの長さがちょっと足りない(手の先が余って手首が真っ直ぐにならず、微妙な負担がかかる)部分が気になったというのもあるが、何より2ヶ月の期間の中で、私の中でダイニングのコンセプトがほぼ固まったというのがある。それが、『個性の異なる人が、1つの丸テーブルを共に囲う』というものである。要は『個性の異なる』という部分を、椅子で表現したくなったということだ。
いわゆる『ダイニングでの一体感』を構成するためにダイニングチェアを同一製品に揃えるというのは購買判断も簡単になるし、何よりインテリア的なまとまりも容易に実現可能な良い選択肢だと思う。しかし、私は丸テーブルの包容力で十分に一体感を出せると思ったので、椅子についてはむしろ一体感を強制させるような統一的なものでなく、あえて種類を散らすことで個性の表現と、同一のテーブルにあることによる逆説的な一体感を演出したいと考えた。別種の椅子にすると品質・素材・ビジュアル面などで似たようなものを探さないといけない、という難しさはあるが、ビジュアルが異なるゆえに座る人に合わせて高さ調整をしても自分の椅子がすぐ峻別できたり、たまに違う椅子に座ることでその椅子や普段の椅子の良さ・違いを感じることができる、などの道楽的な利点もある。ビジュアル面での統一感については、いくつかの指針を立てればそこまで外すこともないので、あとはどの程度リサーチを忍耐強くできるかどうか、という話になる。ちなみに、我が家の椅子のコンセプトは『曲線的』『ローバック』『天板から見える部分が木材(not 布)』『非装飾的』『ウォールナット材ないしそれに近い色の塗装』である。
さて、CRESCENTは妻の椅子になったので、私は別の椅子を探す必要がある。当時の候補としては、カールハンセン&サンの『CH24』(Yチェア)と、カンディハウスの『WING LUX LD サイドチェアー』だ。ビジュアルの詳しい説明についてはメーカーのWebサイトに譲るとして、まずはWING LUXを試しに行った。Yチェアは実家にも置いてあり、帰省のタイミングなどで座って良さを分かっていたつもりだったからだ(これがのちに裏目にでる)。WING LUX LDサイドチェアーを試した感想としては「広々とした座り心地でアーロンチェアに近いゆとり、ただアームが低すぎて腕が休まらない」というものだった。CRESCENTと同じような感覚で座ろうとすると、明らかにアームが低い。実際座面からのアームレストの高さを比較すると、CRESCENTが25cm (AH 64.5cm, SH 39.5cm), WING LUXが20.5cm (AH 61cm, SH 40.5cm)であり、4.5cmも異なる。元々キッチン周りの作業などで立ち座りが多いので、YチェアやWING LUX LDサイドチェアーなど、ハーフアームのチェアをおく想定考えていたものの、ハーフアームチェアは「腕をちょっと置く」という使い方をするため、低すぎず高すぎずのちょうど良いラインであることが椅子に身体を落ち着けやすいという観点で重要になる。この点でWING LUX LDサイドチェアーは候補落ちとなった。Yチェアはその点、実家での経験から割と良いのでは、という意識でいた。ちなみに、ハーフアームで良さげなチェアとしては、SEOTO-EX ハーフアームチェア(張座)、RUNT OMチェアー、SOUP Chairなどがある。RUNT OMはカンディハウスの製品であるため、WING LUX LDサイドチェアーと合わせて試させてもらった。アームレストの位置としてはちょうどいい高さで文句なかったが、座面がやや小ぶりで、軽快な椅子でありゆったり目ではない、という印象だった。SEOTO-EXは板座だと腰や背中の心地が微妙(CRESCENTほど彫り込みがない)、張座だとクッション性が高すぎる上に冬場だと長時間の利用で暑くなりそうな感想であった。SOUP ChairはRUNT OMとほぼ同じ印象だった。どれも候補落ちである。いい椅子ではあるんだけど。
さて、そんなわけで消去法的にYチェアを購入することになった。ポリシーにはやや反するけれど、ウォールナット材の新品Yチェアを正規購入すると納期が6ヶ月とかになり、しかも金額が当時で26万円とかするため、中古流通のもの(日本仕様のSH43cm, ナチュラルペーパーコード)を買った。1週間程度で届き、少しの期間は喜びと共に使っていたが、徐々に理想とのズレが見え始めていた。
まず1つは、ハーフアームの問題。腕を置く場所は実測で座面から28cm程度のところにあり、上記のような「低すぎず高すぎずのちょうど良いライン」というラインからは外れていた。高すぎるとどのような問題があるかというと、まず腕をリラックスした状態よりは高くする必要があるので、肩が不必要に疲れる。次に、手首から手のひらまでを太ももの上に置くことができず、力を抜くと手首から先がだらんと垂れるような格好になり、手首が疲れる。(ハーフアームチェアの場合、アームレストが程よく低いと肩が自然なまま手首をレスト部分に置いたり、腕をレストに・手を太ももに置くことができる。低すぎると肩が自然な格好にならない)
また、意匠としてYチェアは背もたれからアームレストまで一体となっている曲木構造だが、これも使い心地とのトレードオフがあった。具体的には、ハーフアームに腕を置こうとすると、レスト部分が細すぎて長時間腕が置けないのだ。物干し竿のような棒で長時間腕が圧迫されているような状態になり、いずれ疲れてきてしまう。さらに、この問題は背もたれの部分にも共通する。背中の"Y"になっている部分は、後傾姿勢になった時にちょうど背骨の部分が回避されるように作られており、この部分は賞賛に値するものの、それ以外の部分は平面ではなく、棒の集合として背中を受け止めるため、肝心のもたれ心地があまり良くない。上記のような問題があり、ある程度使い方に慣れたものの、使い始めて1ヶ月ほどで肩や背中が疲れるようになってしまった。
Yチェアの良いところも記しておこう。まず圧倒的にビジュアル面が良い。特に、夜など暗いシーンで間接照明をあて、程よく陰影をつけた時の立体的な印象は、CRESCENTなどには出せないインパクトがある。また、とても軽いのも良い点だ。他にも良いところはある。座面の前部分に突き出ている脚の丸いところは、たまに膝の裏を刺激するのにちょうどいい(何の話?)。あと、これはハーフアームチェアなら大体の椅子がそうだが、あぐらの姿勢をとりやすい。ラウンジチェアとまではいかないが、ダイニングチェアの枠からは少し飛び出た使い方をしても大丈夫な懐の深さがある(もちろん、背もたれや座面はゆったりするための形状にはなっていないが)。
さて話を戻そう。このようなYチェアの問題にぶち当たった私は何をするか。当然ながら椅子のリサーチである。Yチェアの学びから得られたノウハウをもとに、他に椅子はないかをひたすら探した。どのみち子どもが大きくなったり、来客があったりすると椅子は必要になるし、いい椅子はむしろ多種あった方が良いのだ、なんて思いながら。まず、以前候補落ちしていたWING LUX LDサイドチェアーを再び候補に昇格させた。色々と文句を言いながらも、丸テーブルを中心とした半ラウンジスタイルの空間には、コンセプトとしてぴったりな椅子だからだ。持っているアーロンチェアのアームレストの高さをWING LUXに近くして過ごしてみたり、迷惑ながらもショールームに何度も試しに行ったりした。他の候補としては、マルニ木工のHiroshimaも考えた。ローバックのチェアというカテゴリーからは外れるが、柏木工のCIVILチェアや飛騨産業のGoldsmith Windsorチェアなども一旦検討した。座り心地という点ではHiroshima以降のものはそれぞれどれも良い椅子で、Hiroshimaはちゃんとダイニングに座っている感(さすがApple本社に採用された椅子!)が、CIVILは包まれるような背もたれとCRESCENTに近い彫り込みの座面、Goldsmith WindsorはCIVILに近い背もたれとCRESCNETに近い座面・アームの高さが際立っていた。しかし、やはりローバックで揃えるというコンセプトは譲りたくなかったので後者2つは採用できなかったし、Hiroshimaはどこか違う感があった。実直すぎ・真っ直ぐすぎる印象で、「ダイニングに座りましょう」という緩みのなさ・ある種の仕事椅子感が、椅子から伝わってくるのだ(試したものが板座だったからかもしれない)。結局迷いに迷って、再びWING LUXを検討し始めた。
WING LUXを調べていると、カンディハウス公式のYouTubeで、デザイナーのインタビュー動画に出会った。詳しくみてみると、WINGという名前は、「羽を広げたような」デザインであるから、というコンセプトがあったらしい。そして私が注目したのは、デザイナーの「等座りを考えると、サイドチェアーも必要」という言葉だ。WING LUXをテーブルやソファまで含めたシリーズとして展開する際に、元となったのはフルアームチェアのWING LUXであり、そこからサイドチェアも派生したらしい。となると、本来はフルアームチェアこそにデザイナーが意図した座り心地や意匠性が宿っているのではないか、という考えが浮かんでくる。そこで私は、再びショールームに行くことにした(何度も訪問してスタッフの方には本当に申し訳ない)。行く前にフルアームチェアの方のWING LUXの製品ページを見ると、モデルが座った画像を見つけた。そこには、親指と残り4本の指でアームのふちを「つまむ」ように手を置いて、ゆったりと腕をアームレストに置き、肩を開いて椅子にかける様子があった。確かにこれなら、低いアームレストであることも説明がつく。手や指先まで休ませようとすると、奥行き方向が相当に長いアームレストが必要になる。それなら、肘がつく範囲でできる限りレスト部分を低くした方が、指先まで乗せて休むことができる。思えば、CRESCENTは指先部分の休め方を「アームレストの先を握るようにガイドする」ことで定義していた。実際、CRESCENTで指先まで伸ばして休めようとすると、指先が遊んでしまう。だからアームレストが低かったのか、そしてハーフアームのバージョンはその文脈を切り捨ててしまったから、低さだけが目立ったのか、と感じた。これはショールームで試す前に考えたことだが、(購入して座り慣れ)後から上記の内容が記載された私の個人メモを見返して記事にしていると、おおよそ正しいことがわかる。
さて、ショールームに行ってみたところ、概ね上記の仮説は正しそうで、座った感想は「ゆっくり腕を伸ばすことができ、背もたれも面が大きくもたれやすい」というものだった。すっかり顔馴染みになった店員さんとその椅子(WING LUX LD アームチェアー)に座りながら聞いたところ、サイドチェアーの方が売れるらしく、フルアームであるアームチェアーの方はあまり店頭にない、とのこと。実際、サイドチェアーは10をこえる点数があったが、アームチェアーは1脚だけしか店舗になかった。しかし店員さんと20分ほど会話させていただき、長時間とは言わないものの多少長い時間座った時・姿勢を崩したり変えたりした時もそれぞれ座りやすくできているということが確認できた。何度も訪問して椅子1つしか買わないのも迷惑な客だなと思いつつ、普通に椅子だけ買った。1ヶ月後くらいに椅子が家に届き、今まで使ってみて思うのは、フルアームだからこその腕・手首の休息感、座面が広いことによる姿勢の変えやすさ(頑張ればあぐらもかける)、大きな背もたれの抱擁感が見事に組み合わされた素晴らしい製品というところだ。ゆったりと丸テーブルを中心としてくつろぐスペースの1つとして、しっかりと活躍してもらっている。ちなみに、確かにハーフアームの方が椅子への出入りは楽だが、丸テーブルでしっかり壁や他の家具との距離をとって配置してあれば、フルアームチェアでも何ら問題なく出入りできているし、フルアームは立ち座りや椅子を引く際に掴むところが多いので、むしろスムーズに動けているように感じている。
ちなみに、椅子を求める旅はまだまだ終わっていない。子供が大きくなったら、来客があったらなどの利用シーンを思い描いては(少なくとも今は)不要なのに椅子が欲しくなっている。以下、簡単にその椅子たちを紹介しよう。全てウォールナット材のラインナップがある。
- マルニ木工 Hiroshima アームチェア
- 前述の通り、実直なダイニングチェア。背筋が伸びるような座り心地と、CRESCENTに近いアームレストの感覚はやはり一級品。Apple製品をいっぱい持っているので、その意味でも欲しい。
- shirakawa 和蘇 チェア アーム
- 背もたれが印象的なチェア。めっちゃ安い(当社比)。木質感をアピールしつつ、Yチェアのように背骨を避けて背もたれが作られている。
- 起立木工 MORRIS Chair
- 彫刻のような曲線美のあるチェア。座面は特筆することはないが、背もたれがWING LUXのようにどっしりとしていて、悪くない座り心地。ちなみに筆頭候補。
- 柏木工 ANIMAS サイドチェア
- CRESCENTに似た座面の彫り込みと、SEOTO-EXやSOUPのような程よい高さのアームレスト。使用される木材の選び方がワイルドネスを主張しており、天然木を使った空間に溶け込むビジュアルがいい。
- 飛騨産業 クマヒダ アームチェア(張り座)
- 隈研吾デザインの椅子。曲線が美しく、他の家具との調和性も素晴らしい。しかし背もたれはやや頼りなく、どちらかというとビジュアルを楽しむためのコレクション向き椅子といったところだろうか。結構お値段する。
ソファ
ダイニングチェアほどの(文章量からも察せられる)熱意があったわけではないが、ソファもかなりリサーチおよび現物確認をした。そもそも、ソファという代物には少し懐疑的な面もあって、(ダイニングチェア・テーブル比で)深くはリサーチしていなかったというのもある。まずその辺を語りたい。
そもそも、ソファといえばいわゆる2-3人掛けの横長のものがスタンダードで、リクライナーなどの1人用のものやシェーズロング・オットマンなどの足を伸ばせるタイプ、コンポーネント型のシステムソファ、果ては無印の人をダメにするソファ(体にフィットするソファ)などのビーズクッションというように、多数の形態がある。そして、それらは大抵の場合、組み合わせて使うことが多い。というのも、ソファというのは「くつろぐ場所」であり、くつろぐ要素として、1人の占めるスペースを大きくする(すし詰めで座ることは滅多にない)という事実があるからだ。3人くらい使う人がいたとして、1~2人が2-3人掛けのソファに横たわり、1人が1人用のソファ+オットマンを、さらに使うならビーズクッションや追加のソファを、というように、分散した形でぼんやりと個人スペースの境界がソファで作られているのが理想になる。なので、家具屋のショールームでのソファ配置でよくあるパターンは、システムソファがL字型になって(ショールームなので大きめの展示になっているのもあるが)8-10人は座れるであろう形状になっていたり、提案される構成も2-3人掛けソファ1つ、1人掛けソファ1つ、などのパターンが多い。さらにテンプレート化するなら、ソファに座った目線の先にテレビ台 + 大型テレビがあり、ソファから手の届くところにサイドテーブルやリビングテーブルが置いてある、というような構成になるだろう。いわば、リビングテーブルやテレビを団欒の中心地として、ソファというリラックスできる椅子を配置した構成が理想形になる。しかし、日本の住宅でそこまで豪華に家具を配置できる家はそう多くはないだろう。そのため、大抵の場合は2-3人掛けのソファ + リビングテーブル + テレビ台を買う、という構成に落ち着きがちになる。しかし、この組み合わせでは、せいぜい2-3人くらいしか休む場所がなく、上記の「団欒とリラックスを実現させる場」としては中途半端になってしまう。私はここが、居心地の良いLDK空間を作る上で、ただ2-3人掛けソファを配置するだけでは空間の居心地向上に寄与しきらないと考え、どのように配置するか、またどのようなソファを買うか、そもそもソファを買うべきなのかなどを悩んだ。

ちなみに、解決策の一つとしてソファダイニングという手もある。宮脇壇の思想をうまく現代風に昇華したとも言えるし、延べ床面積の小さい現代日本向けの苦肉の策とも言えるだろう。居心地の良いLDKというテーマからすると個人的には大いにアリだったのだが、ダイニングテーブルのところで述べた通りソファダイニングでは丸テーブルを優先事項にすると途端に破綻する(円弧に沿う形状のソファなど、高級レストランのような造作でもしない限り存在しない)。そのため、割と初期段階で諦めた。
さて、ソファを中心とするリビング空間というテーマの中で、考える枠組みからまず外したのは、テレビ台とセンターテーブルだ。そもそもうちはテレビを見ないので、たぶんテレビ台も不要になる(子供向けアニメなどはPCモニターで代用)。そして、センターテーブルはそもそも規模の大きいフルセットソファ空間(画像左の方)では重要な役割を果たすが、大多数の場合は数歩行くだけでダイニングがあり、せいぜい小さなサイドテーブルで事足りる。そのため、この2つは除外した。というより、最初から考えていなかった。
さて次に本命のソファなのだが、ソファは主に座る・寝る(横になる)という動作の受け皿になる。なので、必ずしも一般的なソファでなくとも、休む場所としては成立する。極端な話、ベッドでも良いのだ。昨今ではフルフラットのソファが多数のメーカーから販売されており、フラットソファ + 可動式の背もたれというソファスタイルも珍しくない。なので、背もたれやアームレストのある一般的なソファだけでなく、フラットソファや小上がり畳なども視野に入れて(むしろそれらを順位の高い候補として)、くつろぐ空間を検討することにした。
まず考えたのは小上がり畳である。楽天市場などで売っているようなお手軽なものから、オーダーメイドのものまで価格レンジは広いが、どちらかというと後者寄りで考えた。造作の家具が一番フィットするし、家具を買い替えることは滅多にないのでちゃんとしたものを取り入れたかったからだ。丸テーブルに少し差し掛かけて椅子としての役割も匂わせつつ、程よく腰掛ける・横たわるという居場所を実現させるという点ではかなり候補として順位が高かったが、次の2つがネックだった。まず、どうしても座面はソファほど柔らかくはないこと。ビーズクッションなどを置くことで居心地を良くすることはできるが、硬さ的に居場所が床の延長に過ぎないというのは事実だった。次に、オーダーメイドの価格が高いこと。簡単な内容で見積もり依頼を投げると、50万円くらいで返ってきた。これなら普通に良いソファが買えるので、価格的な優位性はない。妻もその点は難色を示していた。畳の緑色の要素はカラーコーディネート的にもプラスで、上述のように居場所として多用途に使え、そしてある程度のサイズを持たせることで空間に広がりの要素(長い水平面で横方向を強調する)を与えることができる案だったが、ソファを超えてまで優先されるような案ではなさそう、という結論に至った。
また、少し異質ではあると思うが、ベッドを置くことも検討した。セミシングルくらいのサイズ感であれば、大きすぎもせず、腰掛ける場所としても横になる場所としても役に立つ。これならば小上がり畳の難点であった座面の硬さは解消できるが、そもそもLDKにマッチするような外観(見せる外観)のベッドフレームが少ないこと、特にセミシングルは選択肢がほぼないことなどが障壁となり、こちらも諦めた。
リクライナーを置くことも考えたことはあった。カリモク家具のThe Firstというリクライナーを何度か店頭で試したことがあるが、これが大変良いもので、今でも家にいつか置きたいなぁと思っている。しかし、リクライナーは占めるスペースに対して利用可能な人数が極端に少なく、2脚置く場所があれば3人掛けソファ + 1人掛けリビングチェア/ソファが置けてしまう。そのため、こちらも見送りになった。
さて、寄り道から戻ってソファの話になる。どこかのブログ?か何かで見たのだが、「ソファは新築における夢・憧れ」という内容を誰かが言ったらしい。実際、機能主義的な観点では上述の小上がり畳やベンチ、ビーズクッションなどの方がソファよりも優れていると私は思うが、「大きいソファで家族が集まる」「近い距離で寝転がったり、座ったりする」という要素は確かに、豊かな家庭像として肯定せざるを得ない。
ソファを巡る旅はダイニングテーブル・チェアと同様、飛騨産業・カンディハウス・マスターウォール・Hirashima・ACTUSなどが舞台となった(家族で行ったところ。個人としては他にBoConceptやRitzwellなどにも行った)。結果的に、一番最初に見た飛騨産業のソファ(SEOTOソファ)が最もしっくりきたので、それに決まった。座面の反発具合や腰・背もたれの当たり具合、背もたれの角度、フレームの見た目や座面の高さ、全体的な外観などを総合的に見た結果である。実は、マスターウォールのLazy DanishやDanish Freeソファは間取りや外観的には有力な選択肢だったのだが、クッションの具合が飛騨産業のものに及ばなかった。いくつかの店舗に在庫・展示確認のメールを飛ばしたりいろいろ問い合わせたのが少し申し訳ないと思っている。
余談だが、うちの家にマッチする総合点では飛騨産業のSEOTOソファだったが、座り心地・居心地だけに絞れば、カンディハウスのクォードソファが最高だった。価格もなかなかのもので、3人掛けソファでも70-80万円、シェーズロングをはじめとしたシステムソファにすれば簡単に100万円を超えてくる。かなり大きな家・リビングならあのソファは輝くだろう。ぜひお金をかけても良いと思う人がいれば、あのソファを導入してほしい。家具オタクになりつつある私が自信を持ってお勧めする。
結果的に一般的な3人掛けソファに落ち着いたわけだが、上記の「団欒とリラックスを実現する場」を実現させるための工夫として、どのようなことを考えたかも書いておく。中心的な考え方は、以下の記事にあるように「LDKに中心を作る」だ。
3人掛けソファ+1人掛けソファいくつか+リビングテーブル+テレビ台といった「フルセット」のソファシステムは、リビングテーブルをゆるやかな中心として空間を方向づける(上記のChatGPTにつくらせた画像も参考にしてほしい)。「フルセット」のソファ空間がない場合に、中心をどこに持っていくかは間取りや設置する家具によって異なるだろう。我々の家の場合は、宮脇檀の思想も踏まえつつ、ダイニングテーブルをLDKの中心として据えることになった。キッチンもリビング(ソファ)もダイニングテーブルの方向を向いており、ダイニングは丸テーブルの形状で中心を視覚的に理解させるようにする。また、ダイニングの中心にペンダントライトがくるように設置すれば、さらに中心「感」が増す。このような工夫、というよりは先人たちの知恵を組み合わせることで、家具配置の方向性が決まった。
その上で、ソファでの居心地を高めるために、いくつか配慮したことがある。
- ソファは背面を壁付けにして、背後からの視線がないことを確定させること。
- これは私自身、いわゆる社長室スタイルのデスク設置(壁を背にしてオフィスチェアを設置)をすることで、非常に快適に在宅勤務ができていたという経験も踏まえている。
- ソファで横になったときに照明からの直接光が目に入らないようにすること。
- 実家ではソファで寝転がるとどこかしら(一応、実家でも多灯分散照明をしていた)から照明の直接光が目に入り、快適に休めなかった経験がある。今回の場合、小上がり畳やソファなどの家具は照明計画時点では未確定だったものの、「この辺に寝転がって休むスペースを作る」ということは確定させていたので、そこの直上にはライトを置かない・ダウンライトは全てグレアレス・ソフトグレアにする・間接光中心でライティングを行う、という計画で、直接光を回避することを実現させた。
また、サイド(ソファ横の通路)からの視線をカットする、リビングテーブルの代わりに小物類(本やスマホなど)を置く場所・充電する場所を作る(ケーブルマネジメントも配慮する)、ということも考えた。後者は実現したものの、前者はまだ不要と判断して実現させていない。そのうち必要性を感じたら、大型の観葉植物や格子スクリーンなどを設置して視線カットを考えるかもしれない。
収納家具
正直書くのが疲れてきた。というかダイニングチェアとソファの文章量が多くて自分でもドン引きしている。多分このセクションで最後のはず。
ダイニングチェア・テーブル、ソファまで紹介したところで、普通であればテレビ台、という流れになるが、ソファのセクションでも言及した通り、テレビ台は見送ることにしている。そもそもうちにテレビはない。しかし、以下のようなものを収納するスペースはLDKに配置したいと考えていた。
- HomePodなどのスピーカー
- Wi-Fiルーター
- (主に子供にアンパンマンを見せる用の)モニター
- 個人のバッグ・小物入れ
特にバッグ・小物入れについては、外出時・帰宅時のものの整理を円滑にするために必須と考えていた。施主によってはファミリーロッカーなどを玄関・洗面などに設けてこれを実現している例もある。

片付けが好きになるファミリーロッカーのあるお家 | LivingD | リビングディー第一建設
しかし、家族それぞれに小さな引き出し1つ+カバンスペースくらいであれば、玄関や洗面に専用のスペースを設けるほどでもなく、既製品の収納家具でも十分に人数分をまかなえると踏んで、収納家具の要件として盛り込んだ。
さて、収納家具自体はさまざまな構造のものがある。グリッド型のもの、棚型のもの、引き出し型のものなど。グリッド型は1人1~2箇所の割り当てがしやすい反面、グリッドによってサイズ制約が発生するので、たとえばランドセルが入らない、などの問題が起こる可能性も否定できない。最初は以下のルドルフシェルフなどは良い候補だなと思っていたが、サイズ制約が裏目に出る(ランドセルやバッグが置けないので結局床に置かれる、など)可能性を否定できず、諦めることになった。

【公式 関家具】 ルドルフ シェルフ |家具・インテリア通販の関家具【公式】
サイズ制約を気にしなくて済む収納家具は主に棚型である。特にオープンシェルフなどの開放度の高い形状は、多少バッグなどが棚から飛び出て置かれていても見た目的に違和感はない(サイズ制約が多少緩められる)し、ケーブルマネジメントなどの観点でも好都合である。元々、ファミリーロッカー的なものが欲しいと思った理由自体も、二人暮らしの時に(今も持っているが)オープンシェルフをリビングに設置して、カバンや化粧品など、個人の荷物をポンポン置ける場所として機能させていて、それがとても便利だと考えたからである。
しかし、オープンシェルフをLDKに溶け込ませることまで考えると、意外と難しい。なぜなら、収納しているものが全て見えてしまうので、容易に「ぐちゃ・・・」っと感が出てしまい、LDKの落ち着いた家具との調和性が下がってしまうという大きな問題点がある。さらに、オープンシェルフは段数が4段程度、高さが120cm~140cm程度のものが主流で、縦方向に存在感がある。水平ラインを強調しつつ、高さを抑える(特に、ダイニング周りがやや低めなので全般的に高さは抑えたい)という全体のテーマを考えると、この構造はいただけない。
となると、オープンでない棚型で、かつ高さが90cm以下、というのが大まかな条件として加わる。90cmというのはキッチンの高さが90cmであり、横幅が大きい家具の高さを規制するラインとして合理的だからだ。ちなみに、かつて祖母に「家具は100cmを超えないようにすると圧迫感が少ない」なんて話をされたこともあった。だいぶ昔の話ではあるが、家具を選ぶ場面になると頷ける。
ではどんな家具が候補かというと、ほぼほぼ選択肢はなくて、飛騨産業のSEOTO-EXキャビネットを指名買いとなった。他の候補としてカンディハウスのセレクトファーニチャーシリーズやRitzwellのJabara Sideboardがあったが、前者は流石に予算オーバーだったので諦めた(ざっくり見積もりで100万円を超えた)。後者については、脚部が細すぎてインダストリアル的な要素が出てしまうこと、引き出し部分の革素材がラグジュアリー寄りで、どちらも曲線や木の温かみを中心とする空間には合わないと判断した。

SEOTO-EX キャビネット | 飛騨産業株式会社【公式】 | 飛騨の家具、国産家具
このキャビネットは、RitzwellのJabaraと同様に、全面の巻き込み戸が特徴だ。開閉によって内部の棚部分を隠したり見せたりすることができる。また、内部に引き出しがついているのも加点ポイントである。購入してみて分かったのだが、内部の可動棚のダボがネジ式になっており、ダボが外れないように工夫がされている。小さいながら安価な家具との違いを感じた。巻き込み戸にも無垢材が使われており、近くで見ると微妙な模様の異なりが、遠くから見ると色のグラデーションが美しく、抑制された高級感を楽しむことができる。
増やすかもしれない家具
以上で、LDK空間における家具の旅の話は終わりである。しかし、将来的にはこういう家具もありかな、と思うものもいくつかあるので、それを紹介したい。
- SEOTO-EX AVキャビネット
- テレビ台。正直子供が大きくなったらテレビを買うよりiPad Pro 12.9inch中古を渡す方がいいような気がするが、子供時代に画面を近くで見ることによる視力の悪化は私自身だいぶ経験したので、テレビをおくのもありなのかとも思う。今はどうなるのかわからない
- SEOTO スツール
- ソファ用のスツール。ソファで足を伸ばすだけでなく、来客時の補助椅子としても活躍できると思っている。とはいえ、これ単体を使って寝転ぶことはできないので、床に無印のビーズクッションを置くのでもいいんじゃないかと思ったりする。
- 何らかのサイドテーブル
- 実は、ソファ横にボックス収納をいくつか置いてスマホ等の充電場所・Switch/カメラ置き場などにしているのだが、ソファ本体のアームレストと比較するとボックスの手触りが異なりすぎる上、安物ゆえの面取りのなさが手をぶつけた時に痛い思いをさせることがある。それらを解消したいのだが、なかなかいい感じのものが見つからない。
- WING LUX リビング アームチェアー
- ダイニングチェアと同じシリーズであるWING LUXのリビングチェア版。店頭で試した時に素晴らしい快適さだったので、うちにも置きたい。・・・が、場所がないのとやっぱりビーズクッションで良くね?という事実。
- カリモク The First
- 憧れはある。場所はない。マジで座り心地がいいリクライナーなので余裕のある人はぜひ買ってください。
余談1:良い家具を求める源泉
テレビ朝日系列の『大改造!! 劇的ビフォーアフター』をかつて実家でよくみていたのだが、その番組の、確か浅草かどこかの東京の下町の回だったと思うが、素敵な家具をそのままリフォーム後に配置しているシーンをよく覚えている。玄関框が元の家にあった一枚板のものを引き継いでいたり、ヴィンテージの領域に入った和家具が新品の床材の上に配置されていたりと、映像を通してでも伝わる何ともいえない良さがあった。それをみてから、素敵な家具というのはおそらく価値があるのだろうな、と思い始めたのかもしれない。
余談2:家具の定義
ダイニングテーブルやソファなど、種別で「これが家具です」というよりも、もう少し視野を広げて【身体が直に触れる、家の構成物】を家具として考えるのもいい。これは、上記の住友林業の設計士の「毎日触れるものは大事ですよ」という言葉や、以下の朝日ウッドテックのコラムページなどにも現れている。うちの場合は、床材や手すりなどにもこだわったが、これも日々良さを享受している。
















