あくあん's blog

つらつらと書きます。最近はカメラの話。書評やガジェットの話なども。

プロカメラマンという幻想

カメラの記事やツイートなどをみていると時たま出てくる「プロの人は〜」という表現。

アホかと。プロの人という括りでカメラ機材の選び方の軸を作るなという気持ちになります。

 

「プロの人」はスポーツカメラマンかもしれないしウェディングフォト専門かもしれないし、まあとにかく各種専門とする領域があるだろう。その中で必要な機材も変わってくるんじゃないでしょうか。

カメラマンに限らず、「プロ」に共通するのは

  1. お金を払ってくれる顧客がいる
  2. 顧客の要望がある
  3. 要望にかなう写真を成果物として納品する必要がある
  4. 期待される成果物を実現できるクオリティの機材が必要になる

という、成果物を前提としたワークフローや周辺機器のクオリティが確立されることであって、プロカメラマンなら誰もが任意の機材を最上位にするとも限らないのではないでしょうか。例えば映画撮影でも適材適所で、機動性が高いiPhoneやGoProを使うという場面もあるそうです。成果物を実現することが最優先事項であって、機材選定はあくまでそれに追従するもののはず。

 

この観点で見ていくと、アマチュアの人が「プロの人」を模範として機材選定することが馬鹿馬鹿しいかが浮かび上がります。これはカメラ趣味に限った話ではないと思っています。

一方で、違った観点で見ると、アマチュアの人が想定する成果物って何でしょう?カメラを趣味とする人はどんな成果物を求めるのか?

  • カメラで撮影するという体験
  • 等倍での画質チェックや周辺画質チェックを楽しむ画質道楽
  • 数字で表されたスペックを主に楽しむスペック道楽
  • 機材ごとの違いを楽しむ機材道楽
  • 撮影の際の旅情やカメラを利用する場の雰囲気を楽しむ旅道楽
  • 撮った写真をSNSにあげていいね数を稼ぐことを楽しむ自己顕示欲解放
  • 撮った写真で思い出に浸るノスタルジー

などなど、さまざまなものがあると思います。

楽しみ方は人それぞれだと思いますが、自分が必要とする成果物の考慮を促すことなく、ただただカメラ沼と称してカメラ趣味を一括りに紹介するサイトなどには飽き飽きですね。

趣味を楽しむ中で楽しみ方が変わってくることもあるとは思いますが、常に自分という顧客が求める「成果物」を忘れないようにしたいものです。